【独学】イタリアワイン概論 ソムリエ試験対策

ソムリエ試験対策

【地域・特徴】

イタリアは20州の全てでワインが造られているため、範囲が広大です

北側はアルプス山脈、残り三方は地中海に囲まれています

古代からワイン造りが盛んで、古代ギリシア人が「エノトリア・テルス」ワインの大地という意味の言葉で讃えました

イタリアは、ワインの世界三大生産国です

生産量はそれぞれ、イタリア 4,910 万 hl、フランス 4,660 万 hl、スペイン 4,070 万 hl

この 3カ国の合計で 世界のワイン生産量の 53%を占めます

歴史は紀元前2000年頃から、原始的なワイン造りがスタートしていたといわれています

【主要ブドウ品種】

国土が南北に広がるイタリアでは、北部では比較的冷涼、中部は温暖で、南部は暑いという傾向があります

他の生産国と同様に地域ごとに相性の良いブドウが栽培されています

イタリア全土においては、黒ブドウではサンジョベーゼ、白ブドウではグレーラが、最大の栽培面積を誇ります

サンジョベーゼは、全ブドウの栽培面積1位を誇ります

北部の主要品種は、黒は、ネッビオーロ(=スパンナ)(=キアヴェンナスカ)、

バルベーラ、ドルチェット、ブラケット、ピノ・ネーロ、コルヴィーナ

白は、コルテーゼ、アルネイス、モスカート・ビアンコ、シャルドネ、リースリング、

ガルガネガ、トレビアーノ、グレーラ

北部地域は、比較的冷涼でネッビオーロ種から造る高級ワインの他、

白ブドウではシャルドネやリースリングといったフランス系の国際品種も栽培されています

中部の主要ブドウ品種は、黒は、サンジョベーゼ、カナイオーロ・ネーロ、メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、モンテプチアーノ

白は、ヴェルナッチャ、トレッビアーノ・トスカーノ、マルヴァジア・ビアンカ

中部は比較的温暖な地域で、イタリアを代表する品種であるサンジョベーゼの他、トスカーナ州ではメルロやカベルネ・ソーヴィニョンから高品質のワインが造られます

南部の主要ブドウ品種は、黒はアリアニコ、プリミティーヴォ、ネグロアマーロ、ガリオッポ、ネロ・ダヴォラ

白は、グレーコ、フィアーノ

高温な南部地域では、ブドウ栽培は冷涼な気候を求めて標高の高い位置などで行われます

ワインにおいては、白ワインより赤ワインの方が多く生産されています

【イタリア20州】

イタリアは20州全てでワインが造られていますので、それぞれの州の地図的位置を覚えることが重要です

イタリアはブーツの形の上を北部地域、中央を中部地域、下部分を南部地域と3つの地域に分けて覚えます

北部地域は、北はアルプス山脈に面し、比較的冷涼な地域も多いのが特徴です

ネッビオーロ種で造る「バローロ」や「バルバレスコ」などの高級赤ワインを生むピエモンテ州がある他、

冷涼な地域で白ワインの生産が盛んな州が多いことも特徴です

ヴェネト州はワイン生産量第1位の州です(2位プーリア、3位エミリア・ロマーニャ、4位シチリア、5位アブルッツォ)

中部から南部にかけては中央にアペニン山脈が走り、西のティレニ海側と、東のアドリア海側に分かれます

中部では高品質な赤ワインを生むトスカーナ州が最も有名です

南部は温暖で日照量に恵まれ、赤ワインの産出が中心の地域です

各州について、地図上で、その位置をさせるように覚えていきましょう!

【イタリアワイン法】

イタリアのワイン法の歴史は1716年にまで遡ります

トスカーナ大公国のコジモ3世は、当時著名な生産地であったキャンティ、カルミニャーノ、ポミーノ、ヴァルダルノ・ディ・ソプラの4つについて、ここ以外で造られたワインの名前にその地域名を使用することを禁じました

これが最初の原産地呼称制度となりました

19世紀には醸造業者たちによってキャンティワインの産地が定められ、

20世紀には1920年代にバローロなどのワイン産地の指定が行われましたが、国全体での統一したワイン法はまだ確立されていませんでした

そして1963年にD.O.C.法といわれるワイン法がつくられました(フランスのA.O.C.法より28年遅れて)

トップカテゴリには「保護原産地呼称ワイン」であるD.O.C.G. D.O.Cがあり、続いて「保護地理表示ワイン」であるI.G.T. 最も下に位置するのがVdTでした

その後、2008年に改正されたEUのワイン法に合わせてイタリアワイン法も改正され、2010年5月から新たに施行されました

新しいワイン法によって、「保護原産地呼称ワイン」であるD.O.C.G. D.O.C.はD.O.P.に、

「保護地理表示ワイン」であるI.G.T.はI.G.P.に、そして地理的表示のないVdTはVinoに変更されました

【ヴィーノ・ノヴェッロ規定】

ヴィーノ・ノヴェッロとは、イタリアワインの新酒のことで、フランスでいうボージョレ・ヌーヴォーです

味わいや香りは、早熟のブドウを使って造られるワインのため、軽やかで豊かな果実味を備えています

最低でも30%以上は新しく収穫したブドウを使い、完成時にはアルコール度数11%以上、糖度は1リットル当たり10g以下にする規定があり、それらを遵守して造られます

ノヴェッロを造る際には、ボージョレ・ヌーヴォーと同様に「炭酸ガス浸漬法」という製法が使われます

炭酸ガス浸漬法(=マセラシオン・カルボニック)は、ブドウを破砕せず、発酵の際に生じる二酸化炭素と一緒にタンクの中に置くことで、フレッシュな香りと、渋みが少なく、濃い色合いを兼ね備えたワインが生み出す醸造法です

ヴィーノ・ノヴェッロの解禁日は10月30日ですので、どの新酒よりも早く解禁日を迎えることも特徴です

【その他の特殊ワイン】

白ワインに薬草を混合して造る混成ワイン、ピエモンテ州のヴェルムート・ディ・トリノ

ワインではありませんが、カンパーニア州のソレント半島で、レモンの皮から造るリキュールのレモンチェッロ

ブドウの搾りかすからつくる蒸留酒のグラッパなどが

イタリアを代表するお酒として有名です

イタリアはヨーロッパ大陸南部にあり、アルプス山脈の南側から南北に伸びる長靴型のイタリア半島、地中海に浮かぶシチリア、サルデーニャなどの島々からなります

南北に長く伸びた国土の地形は変化に富み、山岳(さんがく)・丘陵(きゅうりょう)地帯が多いため、標高や傾斜なども異なります

アルプス気候、大陸性気候、地中海性気候などの多様な気候が存在しています

そのため、栽培されているブドウ品種や栽培方法なども地域ごとに大きく異なっています

イタリアワインは先ず学ぶべき範囲であり、この範囲を制覇したならば、合格に向かって大幅に前進したと言えます

事実ベースで、毎年10問前後の出題構成を占める、フランスに次ぐ重要範囲です

20州全てでワインの生産がされているため、北部、中部、南部の比較的テロワールが共通する3地域に分けてみていきます

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