酒類概論【ソムリエ試験対策】

ソムリエ試験対策

そもそも酒類とは?てところから見ていきます

日本の酒税法では「15℃においてアルコール分1度以上の飲料」を酒類と定義します

酒類全体の分類については

発泡性酒類、醸造酒類、蒸留酒類、混成酒類の4つに分類されます

発泡性酒類(醸造酒)には、ビールや発泡酒などが含まれます

醸造酒類には、ワイン、シードル、日本酒などが含まれます

蒸留酒には、ブランデー、ウィスキー、スピリッツ、焼酎などが含まれます

混成酒類には、カシス、キュラソー、アマレットなどのリキュール類が含まれます

「醸造酒」「蒸留酒」「混成酒」の分類について、みていきます

アルコール発酵に必要なものは、水分と糖分と酵母です

分かりやすく言うと、酵母くんが水分と糖分を食べて、アルコールと二酸化炭素を排出するイメージです

醸造酒の作り方について

ワインなどの果実酒は、原料そのものに水分と糖分が含まれる為、酵母を加えるだけでアルコールへと発酵させることができます

これを単発酵と呼びます

日本酒やビールの原料は、米や麦などデンプン質です

その為、日本酒では麹(こうじ)、ビールでは麦芽の酵素の働きによりデンプンを糖に分解させてから、その糖を酵母によって発酵させなければなりません

ビールの場合は、デンプンを糖へと分解する工程(糖化)と、その糖を酵母により発酵させる工程を別々に進行させます

これを単行複発酵と呼びます

日本酒の場合は糖化と発酵を同時に進行させます

これを並行複発酵と呼びます

日本酒が持つ、まろやかで深い味わいを醸し出すもとになっています

蒸留酒の作り方について

原料を発酵させた後、蒸留してつくります

蒸留とは、沸騰させた蒸気から液体を作ることです

水とアルコールの沸点の違いを利用して、アルコール度数をより高めるために行われる製法のことです

ざっくり言うと、ビール(醸造酒)を蒸留するとウィスキーに、ワイン(蒸留酒)を蒸留するとブランデーになります

蒸留工程では、醸造酒を加熱して蒸発させ、その蒸気を冷やすことで、アルコール分を中心とする成分を液体にして集めます

混成酒の作り方について

醸造酒や蒸留酒に香料や糖を加えてつくるお酒です

リキュール類が代表的で、もともと薬用酒としてつくられてきました

それぞれの酒類についてみていきます

ビール

酒税法での定義は麦芽、ホップ、水および麦や米、トウモロコシなど政令で定められた物品を原料として発酵させたもの

定められた物品の合計重量が麦芽の半分を超えた場合や、定められた物品以外を用いると発泡酒となります

ビールの分類で

キレのある苦みとさわやかなノド越しで、ゴクゴクと飲めるのが特徴の、下面発酵で作るビールを総称して「ラガービール」と呼びます

世界のビールの約9割がこのタイプのビールです

それに対し、香りとコクが豊かな、上面発酵で作るビールを総称して「エールビール」と呼びます

ウィスキー

穀類を原料に、糖化した液を発酵させ蒸留し、木樽で貯蔵熟成した蒸留酒です

原酒は麦芽を主原料に通常2回単式蒸留器で造るモルトウィスキー

トウモロコシや小麦などを主原料に連続式蒸留器で造るグレーンウィスキーに分類されます

単式蒸留器は、アルコール度数は高めたいけど、原料の風味を残したい時に用いられる方法です(モルトウィスキー)

一方、連続式蒸留器は原料の風味をあまり残さずに、効率的に高アルコール度数のお酒を作りたい時に用いられる方法です(バーボンウィスキー、グレーンウィスキー)

世界の5大ウィスキーは、世界的なウィスキー生産国として知られている、スコットランド・アイルランド・アメリカ・カナダ・日本の5ヶ国で作られるウィスキーのことです

スコッチウィスキーは、世界で最も生産量の多いウィスキーで、麦芽を乾燥させる際に使用するピート(泥炭)の香りが強いものが多く、スモーキーなフレーバーが特徴です

アイリッシュウィスキーは、他と比べて熟成期間が短く、軽やかな味わいが特徴です

アイルランドはウィスキーの発祥国です

アメリカンウィスキー、ケンタッキー州発祥のバーボンウィスキーが有名です

カナディアンウィスキー

5大ウィスキーの中で、最もライトな酒質が特徴です

2種のグレーンウィスキーをブレンドし造る、カナディアンブレンデッドウイスキーが主流で

厳しい自然が育む独特の”甘さ”が特徴です

ジャパニーズウィスキー

日本特有の繊細さと優美さを持ち、世界的に高い評価を受けています

スピリッツ

日本の酒税法で定めるスピリッツは、蒸溜酒の中でウィスキー、ブランデー、焼酎や原料用アルコールを除いたものとなります

代表的なものにジン、ウォッカ、ラム、テキーラなどがあります

■ ジン

穀類を原料とし麦芽や酵素剤を利用して糖化、発酵、蒸溜して得られたスピリッツに、ジュニパーベリーなどの草根木皮(そうこんもくひ)を浸して、再度蒸溜した無色透明の酒をいいます

■ ウォッカ

トウモロコシ、小麦、大麦などの穀類、ジャガイモなどのイモ類を原料として糖化、発酵、蒸溜し、得られたスピリッツを白樺炭で濾過した蒸溜酒をいいますスピリッツの中でも最もクセのない風味を有し、まろやかな爽快感を特徴としています

■ ラム

サトウキビの搾り汁を煮つめて、砂糖を結晶させたあとの糖蜜を原料とし、発酵、蒸溜、熟成の工程を経てつくられるスピリッツです

■ テキーラ

メキシコ ハリスコ州のテキーラという地域で1700年代から作られている地酒です

テキーラは原産地呼称が世界で認められていますので、テキーラの地域でつくられなければテキーラとは呼ばれません

ブルーアガベという竜舌蘭を、51%以上原料とします

ブルーアガベ以外の竜舌蘭で造られたものをメスカルと呼びます

リキュールは、一般的に蒸留酒に果実、香草などの香味を抽出させたり付与したり、

甘味を加えたり、着色したものです

1ℓあたり250g以上の糖度を含めば「クレーム・ド」の呼称が付けられます

※クレーム・ド・カシスのみ1ℓあたり400g以上の糖度が必要です

カクテルは、ある酒に別の酒などを加えて新しい味をつくり出した飲み物のことです

現代的なカクテルが一般的となったのは製氷機技術が発達した19世紀後半からのことです

技法は、ビルド、ステア、シェーク、ブレンドの4種類

タイプは、アペリティフ、ディジェスティフ、オール・ディ・タイプ、ノン・アルコール・カクテルの4種類です

ミネラルウォーターは、各国で定義や製造方法が異なります

日本やアメリカでは、加熱殺菌や除菌濾過などにより原水を滅菌することが前提ですが、ヨーロッパ各国では通常このような滅菌工程を行わず製造されます

日本では1990年に農林水産省が「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」を策定しました

酒類概論からはソムリエ試験でも毎年何問か出題されます

範囲が広い印象がありますが、要点を素直に抑えれば確実に点がとれる内容ですのでしっかりと抑えていきましょう!

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