酒類と飲料の分類と起源 飲食サービス必須知識【おもてなしVol.2】

飲食のプロフェッショナル

日本酒

日本酒の分類は、原料と製法で8つに分類した特定名称による分類が広く用いられています

しかし、この分類では一般消費者の求める香味の特徴が分かりません

日本酒が持つ香りの要素と、味わい(特に旨味)の要素を組み合わせ、4つに分類した、「日本酒の香味特性別分類」は消費者視点に立った効果的な分類方法です

日本酒の起源は口噛み酒など諸説があるとされていて、各地の風土記に記されたキ、ミキ、ミワ、クシ、ササなどがサケの語源と言われています

江戸時代には現代の日本酒造りの基盤が固まったとされています

ワイン

ワインの分類は、色調における分類をはじめ、品種や国別、産地別の分類や製法、法規など他の酒類よりも多様な分類が存在します

中でも、製法やブドウ品種の違いがワインの香味特性に大きな影響を与えることから把握していきましょう

ワインは最古の酒類の一つであり、発祥は紀元前3000年頃までさかのぼります

日本へは16世紀のフランシスコ・ザビエルによって伝播し、明治時代になると国内醸造が始まりました

ビール

ビールの分類は、一つの分類では分かりにくく、発酵方式発祥国色調を組み合わせたビールのスタイルで分類します

ビールの起源には諸説ありますが、ワイン同様に世界最古の酒類の一つであり、紀元前3000年頃には古代メソポタミアで造られていました

ドイツでは1516年に発令された「ビール純粋令」では、ビールの品質を保証するため、使用原料を大麦・ホップ・水に制限し、現在でも製造の指針とされています

日本へは江戸時代に伝来し、明治時代にビール産業が活発化しました

焼酎

焼酎の分類は「芋焼酎」「米焼酎」といった原料における分類や酒税法における分類が広く用いられていますが、この分類では一般消費者の求める香味の特徴が分かりません

焼酎が持つ香りの要素と味わいの要素を組み合わせて、4つに分類した「焼酎の香味特性別分類」は、消費者の視点に立った効果的な分類です

日本へは15世紀頃、海上貿易をしていた琉球にインドシナ半島から蒸留酒が持ち込まれたのが最初だとされています

ウィスキー・ブランデー

ウィスキーは、モルトグレーンブレンデッドと呼ばれる原料と製法による分類と、世界5大ウィスキーといわれる主要産地による分類が基本です

ブランデーは、果実の種類による分類と併せ、A.O.C.法の厳しい基準を満たしたコニャックアルマニャックの分類が重要です

ウィスキーの起源には口頭伝承としてアイルランド起源説と、記録として残るスコットランド起源説など諸説があります

17世紀初頭にウィスキー製造技術がアメリカに伝わり、日本には1853年にアメリカのペリー提督が持ち込んだのが最初とされています

ブランデーは13世紀にワインを蒸留した記録があり、「生命の水」と呼ばれ、薬酒として広まりました

スピリッツ

スピリッツは、生産国や原料製法により多種多様な種類が存在します

主要産地とスピリッツの種類の把握が重要で、ストーリー性に富む様々な歴史があります

ラムやテキーラなど大航海時代とともに誕生普及したスピリッツが多く存在します

リキュール

リキュールは原料の分類では、「薬草・香草系」「果実系」「ナッツ・種子・核系」「その他原料」4分類に分けられます

「蒸留法」「浸漬法」「エッセンス法」「果汁法」という香味の抽出方法による4分類があります

リキュールの起源は、中世にブランデーをもとに薬酒としての効能を高めるため薬草成分を溶かし込んだことにさかのぼります

日本への伝来は諸説ありますが、1853年のペリー来航時に持参されたことが記録として残っています

中国酒

中国酒とは、中国で造られる全ての酒類を指します

穀物を原料とした醸造酒を黄酒(ホアンチュウ)、同じく穀物を原料とした蒸留酒を白酒(パイチュウ)といい、共に語源は酒の色に由来しています

紹興酒などの産地を限定した名称や、老酒(ラオチュウ)などの熟成期間が長いという製法に由来した名称も多く存在しています

コーヒー

コーヒー豆の品種はアラビカ種ロブスタ種リベリカ種3種が基本で、その他にも産地ブレンドの有無サイズなどで分類されます

原産地はエチオピアとされ、その後アラビアに伝播したとされています

当初は薬用として飲まれていました

お茶

日本茶、紅茶とも同一品種の茶樹をもとにつくられ、発酵度合いによる分類が基本となります

茶の発酵とは酸化酵素による変化を一般的に指しますが、微生物の働きで発酵させる後発酵茶もあります

茶はカフェインによるリラックス効果が高いです

起源は中国・雲南省が発祥地といわれ、日本へは遣唐使や留学僧によってもたらされました

チーズ

製法によりナチュラルチーズプロセスチーズに大別されます

ナチュラルチーズは原料乳や製法の違いにより多岐に分類されますが、日本では広く一般的に認知された製法と香味特性の組み合わせによる7タイプ分類が重要です

チーズは紀元前3500年頃西アジアで発祥したとされ、ギリシャを経由しヨーロッパ各地に広まったほか、世界各地へ広まりました

シガー

ニコチンの摂取方法の違いで喫煙用非喫煙用に大別され、さらに製法と喫煙方法の違いにより6つに分類される

シガーは、サイズ、形状における分類も商品名になり一般的に使用されています

たばこの歴史は定かになっていませんが、7~8世紀頃のマヤ文明時代には神事に使用されていたと考えられています

また、北米の先住民の間では、霊的な治療にも用いられていたようです

ミネラルウォーターとノンアルコール飲料

ミネラルウォーター類は、農林水産省のガイドラインにより、ナチュラルウォーターナチュラルミネラルウォーターミネラルウォーターボトルドウォーターに分けられています

水の硬度とは、水中に含まれるミネラル含有量の目安となる指標で、マグネシウムカルシウムの合計含有量を表します

ミネラル成分の含有量が多いものを硬水、少ないものを軟水と呼びます

水の硬度の単位には、アメリカ硬度(単位mg/Lまたはppm)と、ドイツ硬度(単位:dH)があります

ドイツ硬度1をアメリカ硬度に換算すると17.8ppmとなります

またノンアルコール飲料とは、主に酒類メーカーが製造するアルコール度数が1%未満の飲料を指します

参考文献:新訂 もてなしの基

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