【地図・地域】
南部は温暖で日照量に恵まれ、赤ワインの産出が中心の地域です
南部地域の州は
カンパーニア
プーリア
バジリカータ
カラブリア
シチリア
サルデーニャ
【カンパーニア州】
カンパーニア州は、古代ローマ時代Campania Felix(カンパーニア・フェリックス=幸運なるカンパーニア)と讃えられ、
温暖な気候と豊かな火山性土壌に恵まれ、ワイン造りに理想的な環境です
白ワインの生産が、47%を占めていて、
この州は観光客が多いので、ワインの消費量が生産量を上回っているという特徴があります
【カンパーニア州D.O.P. D.O.C.G数4:(赤1、白2、赤・ロゼ1)】
D.O.C.G.は、
タウラージは、古代ギリシャからもたらされ長い歴史を持つブドウ品種、アリアニコから造られます
古くから銘酒と知られたワインであり、現代でも南イタリアで最も尊敬されるワインです
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ、グレーコ・ディ・トゥーフォは、いずれも古代ローマ時代から伝わるワインで、アベリノ県(ナポリの東約45km)で生産されます
【プーリア州】
プーリア州は、イタリア半島をブーツの形にたとえたときに、かかとの部分に位置するイタリアで最も東にある州です
ワインの生産量は、常にイタリアのトップの座を、ヴェネト州、エミリア・ロマーニャ州、シチリア州と争います
この州で多く栽培されている、プリミティーヴォは、カリフォルニア州のジンファンデルと同じ品種であることがわかっています
13世紀にフリードリヒ2世が建てた神秘的な城、カステル・デル・モンテは世界遺産に登録されています
また、このエリアで造られるD.O.C.カステル・デル・モンテ(赤・ロゼ・白)が有名なワインです
【プーリア州D.O.P. D.O.C.G数4:(赤3、ロゼ1)】
D.O.C.G.は、
ボンビーノ・ネーロはイタリア南部、特にプーリア、バジリカータ、ラツィオ、栽培される赤ワイン用ブドウ品種です
【バジリカータ州】
バジリカータ州は、イタリア半島をブーツの形にたとえたときに、土踏まずの部分に位置します
石灰岩に掘られた、マテーラの洞窟住居は世界遺産に登録されています
赤ワインの生産が約80%と多いのが特徴です
黒ブドウのアリアニコは、古代ギリシャからもたらされ、長い歴史を持つブドウ品種です
このブドウから造られる、アリアニコ・デル・ヴルトゥレ・スペリオーレが2010年に唯一のD.O.C.G.に認定されました
【カラブリア州】
カラブリア州は、イタリア半島をブーツの形にたとえたときに、つま先の部分に位置します
またイタリア半島最南端に位置し、南西はメッシーナ海峡を隔(へだ)てて、シチリア州と接しています
主要産業は農業で、なかでもオリーブオイルの生産量はプーリア州に次いで第2位です
赤ワインの生産が約75%と多いのが特徴ですが、山が多くブドウ畑は海岸線に点在するため、生産量は少ないです
古代ギリシャ人が、イタリアをエノトリア・テルス(ワインの大地)と呼ぶようになったのは、カラブリア州のイオニア海岸沿いのブドウ畑を讃えてのことでした
D.O.C.のチロ(赤・ロゼ・白)が最も有名な銘柄です
古代オリンピックの勝者にはカラブリア州のクリミサというワインが与えられていましたが、これがチロの祖先であるとされています
【シチリア州】
シチリア州は、イタリア最南端に位置し、イタリアで面積最大の州であり、地中海最大の島です
シンボルは、島の北東部に位置するエトナ火山で、今でも活発な活動を続けています
白ワインの生産が約61%と多いのが特徴です
ネーロ・ダヴォラから造られる、辛口赤のチェラスオーロ・ディ・ヴィットリアが唯一のD.O.C.G.です
その他に、エトナ火山周辺で造られる、D.O.C.エトナ、甘口のパッシートタイプのD.O.C.マルヴァジア・デッレ・リパリ、酒精強化ワインのD.O.C.マルサラが有名です
【マルサラワイン】
マルサラワインは、シチリア島の最西端で造られる、イタリアを代表する酒精強化ワインです
酒精強化ワインとは(フォーティファイドワインとも言う)、ワインを醸造する際に高アルコールの蒸留酒を加えて、アルコール度数をおおよそ15~22度にまで高めたワインのことです
ポルトガルのポートワインとマデイラワイン、スペインのシェリー酒を合わせて世界三大酒精強化ワインとされていますが、
そこにイタリアのマルサラワインを加えて世界四大酒精強化ワインとも呼ばれています
マルサラワインは、オーク樽で熟成することが特徴で、それにより、木やカラメル、アーモンド、バニラなどの香りが楽しめます
醸造方法は、まずグリッロやカタラットといったブドウ品種を使い、
この4種類を造り、それぞれを混ぜ合わせ、オーク樽で熟成させることで造られます
また、熟成の年数の違いによって、いくつかの呼び名が決められています
1770年代、ジョン・ウッドハウスというイギリスの貿易商人が悪天候に見舞われた際、なんとか近くの島に避難します
そこがシチリア島のマルサラでした
ウッドハウスはその地でマルサラワインを飲み、その味わいが当時イギリスで流行していたポートワインやマデイラワインと似ていることに気づきます
イギリスに持ち帰ろうとし、長い渡航で腐らないようアルコールを添加したのが、マルサラワインの原型となっていると言われています
【サルデーニャ州】
サルデーニャ州は、シチリア州、ピエモンテ州に次いで面積は3番目の大きさです
人々は基本的に丘陵、山の民族(羊飼・農民)で、魚より羊の肉を好むと言われています
白ワインの生産が約53%と少し多く、全ての県でワインが造られていますが、生産量はシチリア州の13%程度です
ボッタルガ(=からすみ)が特産品です
白ワインのD.O.C.G.ヴェルメンティーノ・ディ・ガルーラが有名です
イタリア南部地域は、アドリア海とティレニア海に囲まれ、太陽の恩恵を存分に受ける魅惑的なワイン産地です
テロワールに合った個性的な土着品種がひしめき、リーズナブルなワインからイタリアを代表する銘醸ワインが数多く生産されています
果実味が豊かで太陽が感じられるおおらかなワインが豊富なのが特徴です
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